「法律の勉強というのは、六法全書をすべて暗記すること」と考えている人が多いようであるが、決してそうではない。法律のどの条文を適用すればよいのか判然としなかったり、ある条文を適用した場合の答えがどうなるのかすぐにはわからない事案が、世の中には数多く存在する。このように、条文を覚えているだけでは処理できない事案を解決する能力を鍛えるのが、大学での法律の勉強である。このことを模擬授業では、「公園のベンチに、ある人が忘れていったバッグの中から財布を抜き取る行為が、窃盗罪に当たるのかそれとも遺失物横領罪に当たるのか」という問題の検討を通して説明する。2つの犯罪の違いはどこにあるのか、なぜ窃盗罪の方が罪が重いのかといったことを考えながら、いくつかの事例を分けて問題を検討する。また、分析的思考、論理的思考が法律の勉強には必要であることも併せて説明する。
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