【ドロ沼訴訟】悲惨な労働環境が原因で訴訟合戦に。アジャ・コングvsアルシオン「後楽園ホール大会　試合放棄」訴訟とは？　 #プロレス　#格闘技　 #アントニオ猪木

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全日本女子が事実上の倒産となった1997年10月、新たな女子プロレス団体「アルシオン」が設立した。

もともと全日本女子の企画広報部長であった「ロッシー小川」こと小川宏氏が、全日本女子の体制に不満を持つ選手を引き連れて独立した団体で、アジャ・コング、吉田万里子、玉田凜映、府川由美といった人気選手が名を連ねた。

アルシオンの代表にはロッシー小川氏、そしてアジャは取締役に就任した。実質的に経営破綻した全日本女子の姿を目の当たりにした2人が、新しい女子プロレスを創造しようと手を組んだのである。

アジャは、取締役と兼務する「ファイティング・プロデューサー」という肩書きで、いわば現場監督的立場として団体に参画した。

だが、アジャはアルシオンとの選手契約を交わしていなかった。全日本女子時代、ファイトマネーが半年以上払われなくても、専属契約を交わしていたために他団体に出場することができずに苦しい経験をしたことから、あえて「フリー」の立場にこだわったのである。

アルシオンは翌年の1998年2月18日、後楽園ホールで旗揚げ戦を開催した。ファッションブランドとのタイアップで華々しく開催された大会は、満員札止めの観衆で溢れかえった。

しかし、それも長くは続かず、団体の経営はなかなか軌道に乗らなかった。

アルシオンは「ハイパー・ビジュアル・ファイティング」というテーマで他団体との差別化を図っていたが、グラウンドを中心とした試合内容だったこともあり次第に集客が伸び悩むようになる。

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